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骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は骨の量が減り、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨がもろくなると体の重みで骨がつぶれてしまうことがあります。これを圧迫骨折といいます。圧迫骨折になると、背中が丸くなり内臓が圧迫される為、消化不良、便秘、胸焼け等の症状がでます。

骨粗鬆症の原因

骨粗鬆症は骨の量が減り、骨がもろくなることです。原因は大きく2つあります。

  • 女性は50歳前後になると、骨を作るカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなりやすい。
  • 特定の病気や薬が原因で、骨代謝や骨形成に影響するホルモンが不足し、骨がもろくなります。
骨粗鬆症の自覚症状

骨粗鬆症は自覚症状が乏しい為、病気であると気が付きません。以下のような症状がある場合は骨粗鬆症の可能性があります。※ 骨粗鬆症だった場合、骨がもろくなり骨折になりやすくなっている為、転倒による骨折により介護が必要になる可能性が高くなります。

  • 背が縮んだような気がする。
  • 背中や腰が曲がったような気がする。
  • 背中や腰の痛みで動きづらい気がする。
  • 腰が痛いがレントゲン検査では異常なし。
骨粗鬆症で骨折しやすい部位
骨粗鬆症で骨折しやすい部位

それでは骨粗鬆症はどのような部位が骨折するのでしょうか。図1は骨粗鬆症の方が骨折し易い部位を表したものです。ここでは3ヶ所が記されていますが、実際にはもう1ヶ所、肩の骨折があります。この中で要介護の原因になるのは主に股の部分の骨折です。大腿の骨、これは大腿骨といわれ人体の中でもっとも大きな骨であります。若いころは相当ひどい怪我をしないと折れない骨です。

しかし、骨粗鬆症になると事情は違ってきます。図2をご覧ください。これはどの程度の怪我で大腿骨頚部骨折を起こしたかを調べたものです。この中の高度外力というのは交通事故や高い所から転落したもの、中等度は階段などから転落したもの、軽度というのは滑ったり、躓いたりしたものです。また軽微というのははっきりした怪我がなく骨折していたものを示しています。注目していただきたいのは軽度と軽微です。 滑る、躓く、バランスをくずす、などは非常に良く起こし易いことであるということです。

また、骨折した時のことをよく聞いてみますと、どうも転ぶ前に骨が折れていたらしいことが良くあります。骨粗鬆症の進んでいる女性では、ほんのわずかなことで最も大きな骨が折れてしますことがおわかりと思います。

大腿骨頚部骨折と外力のグラフ

骨粗鬆症の予防(運動、日光、食事)

最も大切なことは生活習慣の改善です。何をすればよいか?それは大きく分けて3つあります。

1.運動

はじめに運動することです。宇宙飛行士はアメリカでは陸・海・空・海兵4軍の中の最高エリートがなります。彼らは肉体的にも知能の面でも飛びぬけています。しかし何日間かの宇宙飛行の後彼らは歓迎の花束をその重みの為に落としてしまったということが知られています。これは宇宙飛行の間、重力の負荷を受けなかったために筋肉が萎縮してしまったためです。骨も使わないと同じように萎縮してしまいます。ジェミニ4号の宇宙飛行士の踵の骨の量を測ってみると一日に2%もの骨量が減少していることが解りました。これは1週間では約15%減少することになります。

人の体というものは非常に合理的にできており、少しでも不要な、少なくとも良いような組織はどんどんリストラクチャリングします。これほど合理的な組織はないでしょう。ですから運動しないこと、これは骨や筋肉にとって不要であるからもっと少なくてよいという司令を与えていることになります。反対に運動をしてもっと必要であるという命令を出すこともできます。どの程度の運動かといいますと人によりますが、大体ちょっときついかなという程度の運動を週に2~3回行うのがよいでしょう。

また、体の身のこなしが良くなって転んだりしにくくなることも良い点です。運動は健康全てに良いのです。

2.日光

その次に日光です。理由は皮下にあるビタミンD3の元が活性化するからです。どの位陽に当たれば良いのかといいますと、皮膚を3時間陽に当てれば必要な量のビタミンD3ができるといいます。顔や手を出した状態で夏は木陰で30分、冬は1時間外に出ていれば充分と言われています。

3.食事

最後にカルシウムを良く含むものを食べることです。またカルシウムの他にビタミンDやビタミンKを摂ることにより、骨代謝を盛んにし、骨の形成を促すことが可能になります。

カルシウム
牛乳、乳製品、小魚、小松菜、チンゲンサイ、大豆製品(豆腐・豆類)
ビタミンD
鮭、うなぎ、さんま、めかじき、いさき、カレイ、しいたけ、きくらげ
ビタミンK
納豆、ほうれん草、小松菜、にら、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツ

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受診方法

整形外来を受診してください。受付時に骨粗鬆症の治療希望である旨をお申し出ください。

治療方法

当院の骨粗鬆症に対する治療は、内服薬と注射になります。

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