手術・治療のご案内

アキレス腱断裂
担当医師内山山口

スポーツ関節センターの治療成績はこちらからご確認ください。

アキレス腱断裂とは

アキレス腱

アキレス腱は足首の後ろに存在する腱で、ふくらはぎの真ん中からかかとにかけてあり、人体の中で一番太い腱です。

アキレス腱断裂は、言葉の通りアキレス腱が切れた状態のことを言います。

怪我の原因

主にスポーツ活動中に起こり、ダッシュ、ジャンプ、ターンなどの動作でふくらはぎの筋肉が収縮した時、着地時に筋肉が伸ばされたりした時に発生します。断裂の原因は、小さな傷が腱に入り、弱くなった為ではないかといわれています。

アキレス腱断裂の主な症状

断裂の瞬間「後ろから蹴られた」「ふくらはぎをバットで叩かれた」「ボールが当たった」などの衝撃を感じ、痛みが生じます。受傷直後でも歩いたり、足首を動かすことは出来ますが、つま先立ち出来なければアキレス腱断裂の可能性が高くなります。

アキレス腱断裂の診断・治療

診察・診断

アキレス腱の部分に陥凹(かんおう)、へこみや窪みがあるかを触ってみることが一番確かな診断です。特殊な検査は必要ありません。ただし、症状が肉離れと似ている為、「ふくらはぎの肉離れ」と診断されて、アキレス腱断裂が見逃されることがあります。腫れと痛みが強い場合は陥凹に触れることができないので注意が必要です。

治療について

アキレス腱断裂には多種多様な治療方法が用いられています。切れた腱はどの治療方法でも治癒につながることが知られていますが、保存治療では再断裂の確率がやや高いと言われています。実はそればかりではなく、アキレス腱が伸びた状態でつながることが多いため、力がうまく伝わらないと言う方も多くいらっしゃいます。また、長期の固定により静脈血栓症を発症し、重篤な状態に陥る可能性もあることが指摘されつつあります。

内山法 縫合術について

日本スポーツ整形外科学会スポーツ損傷シリーズ9

より早期にに日常生活に復帰させるため、当院副院長の内山医師が固定期間を短縮した手術方法を考案しました。現在多数の施設で年間600件を超える「内山法」の手術方法が行われています。当院では新鮮アキレス断裂手術は203例に内山式縫合術を、再断裂や陳旧性断裂の再建術は42例に行ってきました(2023年8月15日現在)。

内山法アキレス腱縫合術は、日本スポーツ整形外科学会が発行する患者さん説明用のパンフレット「スポーツ損傷シリーズ 9.アキレス腱断裂」に、手術療法の一例として掲載されています。
出典:一般社団法人 日本スポーツ整形外科学会ホームページ(https://jsoa.or.jp/pamplet/sports-injury/)

アキレス腱断裂の入院から退院後までの流れ

手術前日
入院 術前の準備をします。

※ 糖尿病など合併症のある方は術前に数日間入院して頂く場合もございます。

手術当日
準備 注射・点滴などの事前準備を行います。その後、ストレッチャーで手術室へ移動します。
※ 手術前は禁食です。
手術 手術を行います。
術後 病室へ戻りギプスで固定します。
※ 手術終了1時間後に飲水が可能になります。飲食は手術時間などによって異なりますが、その日の夕食から可能になります。
術後1日
松葉杖歩行訓練とアキレス腱以外の訓練を開始します。
術後4~5日
体重がかけられるギプスに変更します。
松葉杖がいらなくなるのでこの時点で退院となります。退院後は通勤・通学が可能です。
術後平均12日
ギプスから装具に変更します。足関節運動が開始されます。
術後3週後
寝るときは装具がはずせます。自宅などでの移動のために、安全な装具なし歩行を指導します。
術後4週後
座ったままでのかかと上げ訓練を開始します。固定自転車がこげるようになります。
術後5週後
はだしでの歩行訓練を開始します。
術後6週後
立って背伸びの訓練を行います(ヒールレイズ)。
術後8~10週後
両脚でのヒールレイズが均等にできれば装具がはずせます。
術後12週後
片脚ヒールレイズが可能になるので、走行ができるようになります。
その後連続してヒールレイズができれば、多方向運動を開始し、術後5ヶ月後で合流準備です。

※ 上記は一般的な予定であり、個人差があります。

アキレス腱断裂の手術希望の方について

手術までの流れをご一読して頂き、整形外科外来にて内山副院長または山口医師の診察をお受けください。

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診察受付時間/08:30~11:00、13:00~16:00
休診日/日曜・祝祭日・土曜午後

当院は以下の認定病院です。
整形外科専門医研修認定施設、脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設。

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