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PELDセンターについて

数多くの低侵襲手術を行ってまいりました

当院はこれまでMED、MEL、ME-PLIF、XLIFなどの低侵襲手術を中心に患者さんの治療にあたってまいりました。また常に新しい技術を取り入れて頸椎から腰椎まで、すべての脊椎疾患の治療を目指してまいりました。経皮的内視鏡下腰椎髄核摘出術(以下PELD)に関しては2009年から開始し、平成28年度の1年間では200例弱の患者さんの治療に用いました(平成29年度は年間300例を超えるペースで進んでおります)。これまでの治療経験からどのような患者さんに適しているのかなども研究し、学会発表に留まらず国際誌にも報告してまいりました。PELDは、本来腰椎椎間板ヘルニアの手術方法の一つですが、この内視鏡機器を用いると腰椎椎間板ヘルニア以外でも、従来法と同等以上の治療成績が得られる病態もあることが明らかとなってきました。例えば腰部脊柱管狭窄症の一種で、片側の足だけの症状がでる場合などは、PELDで治療することが可能な場合もあります(PELDの対象疾患)。それ以外にも頸椎椎間板ヘルニアや、これまで椎体間固定術が行われてきた病態の一部にも固定術をすることなくPELDで治療することが可能な場合もあります。さらに固定術後しばらくして生じる隣接椎間障害にも適応できる場合があります(固定術後の隣接椎間障害)。細かい点はリンク先をご参照頂きたいと思いますが、PELDという治療の選択肢もあるということを医療従事者及び患者さんに広く啓蒙するために、本センターを立ち上げました。最後になりますが、本センターはどこに住んでいる方でもご利用頂けるように「オンライン診察(遠隔診療)」にも取り組んでまいります。下肢痛が強く来院できない方、当院から離れて悩んでいらっしゃる方も、遠慮なくご連絡下さい。

岩井整形外科内科病院 副院長兼PELDセンター長 古閑比佐志

古閑 比佐志

岩井整形外科内科病院
副院長兼PELDセンター長

古閑 比佐志
HISASHI KOGA

資格・所属学会

日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会
日本整形外科学会
内視鏡脊髄神経外科研究会

医師紹介

PELDの技術向上にも力を入れています

古閑はこれまで多くの医師にPELDの技術指導を行ってまいりました。現在は当院の常勤・非常勤医師8名が古閑とともにPELDの技術向上に努めております。当院は低侵襲・内視鏡脊髄神経外科研究会の教育施設に認定されていて、技術認定医の養成にも貢献しております。この制度は脳神経外科によるものですが、当センターでは脳外科・整形外科の枠に囚われず、脊椎外科医を対象にPELDの指導を行っております。現在整形外科医のフェローが多いので、近年中に整形外科医のPELD技術認定医である日本整形外科学会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医第3種を取得するフェローも出てくる予定です。また、海外との交流も積極的に行っており、中国とドイツからのフェローの希望があり、厚生労働省に申請していた「外国人臨床修練制度」の資格を今春取得したので本年12月からはドイツ人フェローを受け入れることが正式に決まりました。また、随時手術見学やPELDフェローを募集しておりますので、ご興味のある方はお問合せ下さい。なおフェローにはシニアフェローとジュニアフェローとの区別を当院では設けておりますが、シニアフェローは既に術者としての30例以上の手術経験があり(日本整形外科学会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医第3種の受験資格に匹敵する経験数)独立して手術を遂行する技術を取得している医師です。ジュニアフェローの場合も、手術に際してはセンター長あるいはシニアフェローが一緒に手術をするので、ご心配いりません。

古閑 比佐志

古閑 比佐志

岩井整形外科内科病院
副院長兼PELDセンター長

金子 剛士

金子 剛士

稲波脊椎・関節病院
シニアフェロー

横須賀 純一

横須賀 純一

岩井整形外科内科病院
シニアフェロー

志保井 柳太郎

志保井 柳太郎

岩井整形外科内科病院
ジュニアフェロー

近藤 幹大

近藤 幹大

岩井整形外科内科病院
ジュニアフェロー

馬場 聡史

馬場 聡史

岩井整形外科内科病院
ジュニアフェロー

石橋 勝彦

石橋 勝彦

岩井整形外科内科病院
ジュニアフェロー

猪股 保志

猪股 保志

岩井整形外科内科病院
ジュニアフェロー

スタッフ紹介

手術は医師一人でできるものではありません。助手をしてくれる看護師や周術期を適切に管理してくれる麻酔科医、そして術中MEPなどの電気生理学的モニターを行い安全を担保してくれる臨床工学士など、多くのスタッフの総力で初めて達成されるものです。また手術に直接は関わりませんが、中央材料室スタッフの機器整備がなければ手術はできません。術前画像診断は適切な手術術式の選択に極めて重要で、多くの放射線科スタッフが常により良い画像を撮れるよう工夫を重ねてくれております。外来・病棟での看護師やクラークなどのスタッフも手術がスムーズに行えるよう常に支えてくれています。また術後のリハビリテーションは早期社会復帰への鍵になります。このような点を考えると当センターは極めて優秀なスタッフに恵まれていると言えます。

PELDについて

直径7mmの微小内視鏡を使用した手術

PELDは、直径7mmの微小内視鏡を使用してヘルニアを摘出する手術方法の一つです。主な対象疾患は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症です。手術時間は1時間ほどで、皮膚切開は7mm※1と小さく身体への負担が少ない為、入院期間※2も短く済み、早期社会復帰が可能です。当院では平成21年度よりPELDを実施しており、昨年度(平成28年度)は200例弱の患者さんの治療に用いました。

  • 当院の一般的な内視鏡下手術(MED)の皮膚切開は18~20mmです。
  • 当院では、手術後2~3日で退院される方が多いです。入院期間は一般的な目安であり、個人差があります。

PELD手術を動画にて紹介

症例:腰椎椎間板ヘルニア
術者:古閑 比佐志

症例:腰椎椎間板ヘルニア
術者:古閑 比佐志

PELDメリット

手術創が小さく、入院日数が短い

Merit1

傷痕が目立ちません

一般的な内視鏡下手術(MED)で利用する内視鏡よりも、小さな内視鏡を使用する為、切開が小さく済みます。PELDの皮膚切開は7mm、MEDの皮膚切開は18~20mmです。

Merit2

早期社会復帰

皮膚切開が7mmと小さく身体への負担が少ない為、入院期間が短くて済みます。当院では、手術後2~3日で退院される方が多いです。

Merit3

健康保険適用

当院のPELD治療は、健康保険が適用されます。入院・手術費は¥200,000 ~ 250,000です。

  • 健康保険適用(3割負担)、入院日数2~3日の場合の金額です。あくまで概算になりますので、診療内容や入院日数により増減致します。

MEDPELD比較

一般的な内視鏡下手術(MED)よりも低侵襲

MED 術式 PELD
4~7 入院日数 2~3
18~20mm弱 7mm
有り 保険適用 有り

上記の内容はあくまでも目安になります。予めご了承ください。

PELD対象疾患

PELDは現在行われている脊椎手術の中で最も低侵襲(創部が小さく、筋肉・骨・靭帯などの損傷が少ない)な手術手技ですが、従来の手術方法になかった困難さもあります。例えば一度に見える手術範囲が狭いこと、大きな手術器具が使えないことなどです(道具を動かせる範囲は直径4.1mmしかありません)。また内視鏡を使った特殊な手術方法ですので、医師が手術の技術を高めるまでに通常の手術より時間がかかります。このような点を考慮して、患者さんもPELDの限界も知りながら主治医と相談して手術方法を決める必要があります。

PELDの対象となった10種類の疾患

腰椎椎間板ヘルニア

これはPELDの最も適した手術対象疾患です。しかしながら、ヘルニアの発生部位(脊椎の高位〈L4/5, L5/S1とか〉、ヘルニアの存在する位置など〈中心性、外側とか〉)や、ヘルニアの大きさや形、性状(膨隆型か脱出方かなどや、骨化しているかなど)、さらにはヘルニアの存在する周囲の骨の形状などによってもPELDより従来法(MEDや顕微鏡下髄核摘出術)の方が良い場合もあります。しかしながら古閑はこれまでの経験からほぼすべての腰椎椎間板ヘルニアに対してPELDで手術可能な手術手技の工夫を行ってきました。

Mini-invasive Surg 2017 Apr 17. [Online First]より抜粋し転用。
症例

50代男性、L4/5レベル左側の大きく脱出した椎間板ヘルニアです。PELD interlaminar法で摘出し、左下肢痛は消失しました。術前(A, B) と術後(C, D) の矢状断(A, C) および輪状断(B, D)のMRIです。矢印は脱出したヘルニアを指しています。従来の手術方法と異なり筋肉や骨、靭帯にほとんど変化がありません。

矢状断 輪状断
術前
aaa
A
B
術後
C
D

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再発ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの手術後の患者さんが、再度同じ部位の椎間板ヘルニアに対する手術を受けた場合を再発とすると、手術後5年までの再発率は4-15%程度と言われています。

B. Braun Melsungen AGより抜粋し転用。

通常同じ皮膚切開から複数回の再手術が可能ですが、初回手術後の癒着の程度によっては神経損傷などの合併症の頻度が高まる場合もあります。PELDにはtransforaminal法とinterlaminar法という二つの到達経路があるので、再発の際も、別経路からアプローチすることで癒着組織に触ることなく再発の手術をすることが可能です。またPELDの再発では初回手術で空気と触れることなく行っているので(水を内視鏡と手術野の中で灌流して行っている)、術後の癒着が従来法と比較して極めて軽度です。これらの理由からPELDは再発ヘルニアにも適した手術方法であると言えます。

症例

20代女性、L4/5レベル左側に脱出した椎間板ヘルニアです。PELD transforaminal法で摘出し、左下肢痛は消失しました。術前(A, C) と術後(B, D) の矢状断(A, B) および輪状断(C, D)のMRIです。黄色の矢印は脱出したヘルニアを指しています。黄緑の矢印は20ヶ月前にMEDでL4/5レベル右側から手術した際の黄色靱帯切除の跡です。MEDと異なりPELDでは筋肉や骨、靭帯にほとんど変化がありません。

術前 術後
矢状断
A
B
輪状断
C
D

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巨大腰椎椎間板ヘルニア

ヘルニアが大きいと下肢痛のみならず膀胱直腸障害なども生じて緊急的な手術が必要になる場合もあります。緊急手術となると病院を選べないので、大きな皮膚切開の肉眼的手術になってしまう場合もあります。以前は大きなヘルニアにはPELDは適さないと言われた時期もありましたが、我々の経験からは巨大ヘルニアに対してはtransforaminal法が優れていることがわかりました。細かい手術方法ですがtransforaminal法にはinside-outとoutside-inの2種類があります。日本ではまだ多くの施設がinside-out (ヘルニア摘出前にまず椎間板内に内視鏡を挿入する方法)でPELDを行っておりますが、我々が行なっているoutside-in (直接脱出したヘルニアを摘出する方法)は、特に巨大ヘルニアの摘出に適していると実感しております。

症例

20代男性、L3/4レベル正中に大きく脱出した椎間板ヘルニアです(輪状断で硬膜管はほとんど見えません)。PELD transforaminal法で摘出し、左下肢痛は消失しました。術前(A, C) と術後(B, D) の矢状断(A, B) および輪状断(C, D)のMRIです。黄色の矢印は脱出したヘルニアを指しています。術後ヘルニアの消失とともに硬膜管が見えるようになっています。

術前 術後
矢状断
A
B
輪状断
C
D

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高度肥満患者さん腰椎椎間板ヘルニア

BMI(ボディー・マス・インデックス:BMI= 体重kg ÷ (身長m)2)は、体重と身長の関係から人の肥満度を示す体格指数ですが、BMI>25は肥満と考えられています。高度な肥満の場合、皮下組織が厚くなるため、手術部位である椎間板までの到達距離が長くなります。手術部位が深くなればなるだけ手術操作は困難になりますので、肥満は手術のリスクを上げる要因の一つと考えられます。当院でこれまで主流であった手術方法であるMEDは、6.5cmの長さの筒の中に内視鏡を挿入して手術していました。従って高度に肥満して椎間板までの距離が6.5cmを超える場合は、手術が難しい場合もありました。しかし我々が用いているPELDの筒の長さは165mmもあるので、肥満の患者さんでも標準的な体格の方と同様に手術が行えます。体格が良く、大きな切開での手術を勧められた方も、一度はPELDの可能性を検討しては如何でしょうか。

症例

40代男性、L5/S1レベル左に脱出した椎間板ヘルニアです。PELD interlaminar法で摘出し、左下肢痛は消失しました。術前の矢状断(A) および輪状断(B)のMRIです。黄色の矢印は脱出したヘルニアを指しています。BMIは39.4で(25以上は肥満とされる)、皮膚の表面からヘルニアまでの距離は、最も短いところでも約9cmあり、MEDの内視鏡の外筒(6.5cm)は届きません。また画像の白い部分は皮下脂肪です。

矢状断 輪状断
A
B

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頸椎症性神経根症

これは頸椎椎間板ヘルニアや頸椎椎間孔(神経の通る骨性のトンネル部分)の骨性狭窄などによって生じる上肢の痛みやしびれを主訴とする病態です。これもPELDで狭くなった椎間孔を広げたり、椎間板ヘルニアを切除することで症状の軽快が期待できます(foraminotomyと言います)。頸椎症性脊髄症といって頚部での脊柱管が広範囲に狭窄されている場合は、切除しなくてはならない骨の範囲もより広範囲になるため、通常PELDは第一選択とはなりません。また複数の神経根症状を呈する場合は、やはりPELDは第一選択とならない可能性が高いです。まとめますと、片側の1本の神経だけの痛み(例えば第1-2指の痛み、あるいは第4-5指の痛み)やしびれはPELDで治療できる可能性が高いと言えます。PELDでの頸椎症性神経根症の治療の特徴は従来の方法と比較して、末広がりに骨性除圧(深い部分をより広く拡大できる)ができる点です。従って筋肉や関節はより温存されることになります。また頸椎の手術は腰椎と比較して出血しやすいですが、PELDは従来法より出血のコントロールが容易で、より安全な手術が可能と思われます。これまで頸椎の手術の術後はドレーンと呼ばれる血抜きの管が数日留置されておりましたが、PELDでは不要です。このような点からもPELDは従来法に勝っていると感じております。

症例

これまでのMEDの内視鏡を用いたforaminotomyと、PELDの内視鏡を用いたforaminotomyを比較しています。CTを用いた骨の3次元モデルですが、PELDを用いた方が小さな骨切除で(黄色の矢印)神経の圧迫をとることができます。骨切除が行われた部分に黒い穴がみえますが、これは開放された椎間孔(神経の通る骨性のトンネル部分)です。

MED
A
PELD
B

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椎間板原性疼痛

腰痛の中には椎間板が痛んだために生じる特別な腰痛があります。その診断は大変難しいのですが、問診による絞り込みができます。この絞り込み方法は当院で内視鏡手術を研修した唐司先生が当院の患者さんを解析し著名な国際誌に報告しております(http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0166031)。我々はこのような問診で疑われた患者さんにMRIや椎間板ブロックという検査を更に行い、椎間板内に迷入してきた神経を熱凝固することで治療できないか検討しております。MRIで椎間板の背側にT2画像で白い部分がみえたり、椎間板ブロックで痛みが軽快したりする患者さんが、手術の対象となります。手術はPELDで椎間板内の痛んだ髄核の摘出と椎間板の背側を熱凝固することです。残念ながら治療の有効率はヘルニアなどの手術と比較して低く、3割くらいの患者さんは手術をしても痛みが軽快しない場合もあります。

症例

腰痛を主訴とした50代の男性です。椎間板原性疼痛の質問事項に合致する症状だったため、椎間板ブロックを実施しました。これで腰痛は軽減し、MRIでもHIZ (High Intensity Zone)と呼ばれる所見があったので(黄色の矢印:黒い椎間板の一部が白く見える部分)、PELDを用いて椎間板内部の熱凝固を行いました。術後徐々に腰痛は軽快し、術後1ヶ月にはスポーツジムにも通えるようになりました。

矢状断 輪状断
A
B

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腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症には症状から大きく2種類に分けられます。馬尾神経が脊柱管の中央で広範囲に狭窄され、馬尾症状という両側の下肢の痛みやしびれを呈する馬尾タイプと、脊柱管の外側で狭窄され下肢の一部だけが神経の走行に沿ってしびれたり痛んだりする神経根タイプです。前者は広範囲な骨や黄色靭帯の切除が必応なため、PELDはあまり適していません。しかし神経根タイプは神経根の走行に沿って限られた範囲の骨と黄色靭帯を切除することで症状が軽快できるため、PELDが大変適しています。また神経根タイプの中でも外側陥凹という脊柱管の部分の狭窄の場合は、内視鏡を用いるPELDの方が従来の手術方法より、この部分を良く見て切除することができます。このような点から片側性の外側陥凹狭窄による腰部脊柱管狭窄に対してはPELDを第一選択としております。

症例

80代男性、L4/5レベル腰部脊柱管狭窄症です。外側陥凹という脊柱管が外側の部分が特に狭く右下肢痛を主訴に来院しました。PELDでL4椎弓に穴をあけてその直下の黄色靭帯を切除し、L5神経の圧迫をとりました(この手術方法をPETA (percutaneous endoscopic translaminar approach)と呼びます)。術後、右下肢痛は消失しました。術前MRI(A, B) と術後CT(C, D) です。輪状断(B, D)で狭窄部背側の骨が切除さえていることがわかります(黄色の矢印)。術後3D-CTでも骨切除範囲が、小さな穴として示されています(黄色の矢印)。従来の手術方法と異なり骨の切除範囲はごくわずかです。

    輪状断
術前MRI
A
B
術後CT
C
D

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腰椎椎間孔狭窄

この病態は従来診断が難しく広範囲の骨切除とスクリューを用いた固定術が主に用いられてきました。確かに固定術を行えば症状は良くなりますが、固定術をPELDと比較すると侵襲が高度で感染症などの発生率も高い手術です。PELDでは狭くなった孔狭窄だけをドリルを用いて拡大するので、極めて低侵襲な手術です。腰椎椎間孔狭窄は腰椎分離症などが原因で生じる場合もあります。ただ次にあげるfar out syndromeと一緒で手術前の診断が難しく、適切な診断のための検査が重要となってきます。当院ではそのための診断技術にも、これまでの経験を活かし、MRIの撮影の仕方や、CT画像の再構成、電気生理学的検査など多方面からしっかりした診断ができるよう努めております。

Mini-invasive Surg 2017;1:3-5より抜粋し転用。
症例

70代男性、歩行で増強する左下肢痛を主訴に来院されました。神経所見では筋力低下やSLRテストは陰性でしたが、MRI矢状断では、L5/S1 椎間板レベルでの椎間孔の狭窄を認めました(A, 矢頭)。術後症状は軽快し(NRS 8→0,JOA 15→22)、術後のMRIでも椎間孔が拡大したことがわかります (B, 矢頭)。手術前(E, G, I) と手術後(F, H, J) のCT を比較すると、神経を圧迫していた部位の骨だけが切除されているのがわかります。腰部脊柱管狭窄症の検査画像と似ているようにみえますが、より外側の骨切除を行い、深部では椎間関節の一部も切除しています。この方法もPETAと呼んでいます。

術前
A
C
E
G
I
術後
B
D
F
H
J

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腰椎椎間孔外狭窄

シンドロームとはある一連の症状を呈する病態の総称であり、原因不明なものも含まれます。far out syndromeは第5腰椎神経が椎間孔を出た後で絞扼されてL5領域の痛みやしびれを呈する病態で、椎体骨棘や靱帯組織,膨隆椎間板などにより生じます。除圧だけでの治癒率は外側ヘルニアなどと比較すると低いため、やはり固定術が選択される場合が多いようです。しかし、L5横突起・ファセット・仙骨Araなどの骨性組織で囲まれた狭い領域での操作が必要となるので、直径7mmのPELDという内視鏡システムはこの手術にうってつけと思われます。症例数はまだ少ないですが、当院ではこれまで固定術をせずこれらの患者をPELDで治療した経験があります。固定術を受ける前にPELDはどうか、一度ご検討頂くことも良いかもしれません。

固定術後隣接椎間障害

固定術が多用されるようになってきた近年、固定した上下の椎体間での障害が、術後ある一定の割合で生じることが明らかとなってきました。その原因は腰椎であれば腰椎の隣接部分も含めると本来六つの椎間板がそれぞれ少しずつ動きながら前湾したり後湾したりしていますが、固定するとそれが五つ四つと固定された分減ってしまうからです。減ると当然残された椎間板の動きが本来の動きより大きくなり、そこに負担が生じるのです。その結果隣接椎間に椎間板ヘルニアが生じたり、骨棘が形成され神経根症状を呈してくる場合があります。従来はこれに対して更に固定術を延長して対処していました。延長すればまたその隣接椎間により大きな負担が生じることになります。我々はこのような患者さんにもPELDを用いて隣接椎間での神経の圧迫をとることを行っております。固定術の延長に比べ低侵襲で良い治療と考えておりますが、これにも限界があります。側彎が強かったり、すべり症を伴っていたり、隣接する椎間板が既に潰れていて椎間関節を大きく骨切除しないと神経の圧迫をとることが不可能な場合などです。患者さんごとに病態は様々です。より低侵襲な治療をご希望であれば、一度ご相談頂ければと思います。

症例

70代男性、2年前に腰椎固定術をL3-5に受けた患者さん。2ヶ月前に運動をしていて、突然右下肢痛が出現しました。MRIを行ったところ、固定術を行った頭側の境界部(L2/3)の椎間孔に椎間板ヘルニアが生じていました(黄色の矢印で囲まれた部分)。CT (A) とMRI矢状断(B)で、ヘルニアの近くに固定に用いたスクリューが確認できます(緑色の矢印)。PELDでヘルニアを摘出し、下肢痛は軽快致しました。

CT 矢状断
A
B

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よくあるご質問

患者さんから多く寄せられる質問をまとめました

PEDとPELDの違いはなんですか?
PEDはPercutaneous Endoscopic Discectomyの略で、Percutaneous(経皮的) Endoscopic(内視鏡下) Discectomy(椎間板摘出術)という意味です。PELDはLumber(腰椎)のLが入っており、腰の手術を指しますが、PEDは腰以外の手術も指します。病院によって表記が異なりますが、Lumberの「L」が入るか、入らないかの違いだけで、術式的には同じ手術方法です。
手術を受けるまで何日かかりますか?
外来受診して頂き、治療方針が決定された患者さんは「通常一ヶ月以内」に手術を受けられます。
入院期間は何日ですか?
手術後2~3日で退院される方が多いです。
  • 入院期間は一般的な目安であり、個人差があります。
保険適用ですか?他院では保険適用の対象外でした。
当院はPELDを内視鏡下椎間板摘出術(後方摘出術)として厚生労働省に届け出を出しておりますので、保険適用の対象です。
入院・手術費はいくらですか?
入院・手術費は¥200,000 ~ 250,000です。
  • 健康保険適用(3割負担)、入院日数2~3日の場合の金額です。あくまで概算になりますので、診療内容や入院日数により増減致します。
他の病院または診療所からの「紹介状(診療情報提供書)」がなくても受診できますか?
「紹介状(診療情報提供書)」がなくても受診可能です。
PELD手術を希望です。どのような手順で受診すればよいですか。
医師紹介から御希望の医師をお選び頂き、外来を受診してください。予約が必要な医師もおります為、外来担当表をご確認頂き、電話にてご予約をお願いいたします。

外来担当表 診察のご予約について

遠方に住んでいる為、通院するのが困難です。画像を送って、診察して頂くことは出来ますか?
当院では、来院が困難な患者さん向けにオンライン診察(遠隔診療)を行っております。下記リンク先をご一読頂き、オンライン診察をご利用ください。診察はセンター長の古閑比佐志が担当致します。

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交通アクセス

お車でご来院の場合

蔵前橋通りを「愛国学園前通り」交差点で曲がり、JR総武線高架下をくぐってすぐにございます。当院は駐車場を完備しておりません。近隣のコインパーキングをご利用ください。

公共交通機関をご利用の場合

JR小岩駅から徒歩5分。東京駅から小岩駅まで24分。羽田空港から1時間5分、成田空港から1時間25分。

名称 岩井整形外科内科病院
所在地 〒133-0056 東京都江戸川区南小岩8-17-2
Webサイト http://www.iwai.com/iwai-seikei/
電話番号 03-5694-6211
開院 平成2年1月
標榜科目 整形外科 / リウマチ科 / リハビリテーション科 / 放射線科 / 内科 / 呼吸器内科 / 消化器内科 / 循環器内科 / 麻酔科
診察受付時間 初診 平日:午前 8:30 ~ 11:00 午後 1:00 ~ 4:30
   土曜:午前 8:30 ~ 11:00
再診 平日:午前 7:00 ~ 11:00 午後 1:00 ~ 4:30
   土曜:午前 7:00 ~ 11:00
休診日 日曜、祝祭日、土曜午後
認定 日本医療機能評価認定病院