
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは眠っている間に呼吸が止まる病気です。無呼吸自体で即、窒息死を起こすことはありません。それよりもむしろ、きちんと睡眠を取れていないことなどにより、体がじわじわと侵され、高血圧症や心疾患など生活習慣病になったり、昼間の眠気により、労働災害や交通事故を起こしたりすることが問題視されている病気です。
睡眠時無呼吸症候群の方は、健康な方と比較して高血圧を発症する可能性は2倍、狭心症・心筋梗塞は3倍、脳血管障害は4倍、糖尿病は1.5倍という報告があります。
その他にも高脂血症・高尿酸血症の合併も多いことが判明しています。米国のデータでは、睡眠1時間あたり20回以上無呼吸が記録された患者さんは無治療のまま放置すると、9年後には10人のうち4人は心臓病・脳血管障害・交通事故などで亡くなっていたという衝撃的な報告もあります。
診断基準
- 7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸数が30回以上起こる。
- 睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる。
原 因

- 首まわりの脂肪→気道をふさいでしまう
- 小顎症(顎が小さい)
- 舌が大きい→喉をふさいでしまう
- 鼻中隔湾曲症(鼻の気道が曲がっている)
- 扁桃肥大・アデノイド・軟口蓋沈下・舌根沈下