手術・治療のご案内

人工膝関節置換術とは

変形性関節症と関節リウマチの画像

変形性膝関節症、関節リウマチ、外傷による後遺症などで、リハビリテーションや注射などの保存的な治療の効果が得られない状態までダメージを受けてしまった膝関節は、症状が回復する可能性が低く、日常生活が制限されるほどの非常に強い痛みを伴います。特に軟骨が完全に欠損してしまった場合は細胞治療などを行っても軟骨は完全には再生しないため効果は乏しいです。

人工膝関節は表面に金属を置換することでこの痛みを取り除き、膝関節を正常に機能させる手術です。症状の進んだ膝関節を人工膝関節に置き換える手術を人工膝関節置換術といいます。人工膝関節手術には膝関節軟骨部分をすべて置換する人工膝関節全置換術と痛んだ内側部分または外側部分をかえる人工膝関節部分置換術の2種類が存在します。

人工膝関節は下図のように、主に大腿骨部、脛骨部の部品で構成されています。大腿骨部は金属製です。脛骨部は耐久性にすぐれたプラスチックでできており、軟骨の役割をして、スムーズな関節の動きとなります。また当院では世界でも最先端のロボットを導入することで、患者さん一人一人に対してオーダーメイドの人工膝関節を行っております。

人工膝関節 人工関節手術支援ロボット

当院の人工膝関節手術の特徴

MRI、CTを駆使した正確な診断、最適な手術

膝関節MRI画像

手術で十分な効果が得るためには十分な手術前の準備、検査が必要です。膝関節内と軟骨、靱帯、半月板と各構成体の状態を正確に把握することで、患者さんに最もあった人工膝関節を提供しています。上記に記載したように、全置換術か部分置換術のどちらが適切なのか診察、画像から関節内の軟骨、靱帯から詳細に評価し提案致します。また人工膝関節手術の中でも靱帯を温存するもの、靱帯の役割を人工関節が代償するタイプが存在しますが、こちらに関しても詳細な評価から適切に提案させていただきます。手術時も後述しますロボット、ポータブルナビゲーションを使用して詳細や手術前データに基づいた専門的な手術をご提供させていただきます。またMRIでそこまで関節の破壊が強くない場合は、保存療法での症状の改善の可能性を提示することも可能です。
(図)MRIを用いることで詳細に膝関節内の状況を把握し、必要な治療を選択することが可能です。

ロボット支援下人工膝関節手術

当院では、手術の精度をさらに高めるため、ロボット(TKA支援ロボットCORI™(Smith&Nephew社製))、とポータブルナビゲーション(ZimmerBiomet社)を導入しています。

ロボット支援下人工膝関節手術のポイント

  • 手術の正確性と安全性が向上
ロボット全体像 ※ クリックすると拡大されます。

術前にはロボットにCTなどの画像情報を取り込み、患者さん一人ひとりに最適な術前計画を立てます。手術中は赤外線カメラやセンサーが関節や骨の位置情報をリアルタイムで捉え、骨切りなどの操作を正確にガイドします。骨切りの誤差を1mm、1度以下のレベルに低減し、インプラントの長期安定性を実現します。

  • 難易度の高い十字靭帯の温存手術が可能
手術中の骨切り角度のシミュレーション ※ クリックすると拡大されます。

コンピュータ上で靭帯バランスを数値化・可視化し、靭帯のテンションを保ったまま人工関節を配置できるので、後十字靭帯を温存した解剖学的人工膝関節手術が可能です。活動性の高い比較的若い世代の患者さんも満足できる膝を再現します。

  • スムーズなリハビリと早期の社会復帰を実現

患者さんそれぞれの膝の形状・靭帯バランスに応じた「違和感の少ない膝」が再現できるため、術後リハビリがスムーズで、早期社会復帰が実現できます。

執刀医のご紹介

上段:川口医師、下段:乾医師 ※ クリックすると拡大されます。

当院の川口航平医師は膝ロボットナビゲーション手術において世界的に有名であるSimon Young先生に師事し世界でも最先端の手術を提供することが可能であり、現在の日本でもオピニオンリーダーの一人です。

当院の乾洋医師は膝ロボットナビゲーション手術の導入外科医の一人であり、日本でも有数の経験の多い外科医の一人です。

最小侵襲での人工膝関節置換術

当院の人工膝関節置換術で最小侵襲の手術です。従来の人工関節手術は、執刀医がなるべく良い視野を確保するために大きく切開していましたが、15~20cmと切開範囲が広く、関節を支える筋肉にダメージを与えてしまい、機能回復が遅れてしまうという難点がありました。当院では従来の手術に比べ、10~12cm程度の皮膚切開と小さな切開で筋肉へのダメージが少ない手術を行っております。最小侵襲で手術することにより、手術後の痛みや筋力の低下を軽減することにつながります。リハビリの早期開始、早期退院、そして早期社会復帰へとつながる手術方法です。
※ 人工関節には様々な素材のものがあります。

人工膝関節手術の流れ図

痛みの少ない人工膝関節手術

当院では、手術の痛みをできる限り減らすために、傍関節多剤注射療法(periarticular multi-drug injection)を行っています。手術直後から関節周囲に鎮痛薬を複合的に注入することで、麻酔が切れた後も痛みを大幅に抑えます。さらに、麻酔専門医が術後も継続的に鎮痛薬を調整・投与し、痛みの変化に合わせたきめ細かな管理を行います。これにより、多くの患者さんが「思っていたより痛くなかった」と感じながら、安心してリハビリを始めることができます。

変形性膝関節症の人工関節置換手術の症例写真

正面X線写真

手術前
変形性膝関節症の人工関節置換手術前の正面X線写
手術後
変形性膝関節症の人工関節置換手術後の正面X線写真

側面X線写真

手術後、徐々にリハビリテーションを開始します。人工膝関節周囲の筋肉の強化や可動域の回復を行います。

手術前
変形性膝関節症の人工関節置換手術前の側面X線写真
手術後
変形性膝関節症の人工関節置換手術後の側面X線写真

最小侵襲の人工膝関節置換術のメリット・デメリット

メリット1
手術後の傷跡が小さい
従来の手術の約16~20cmの皮膚切開に比べ、1/2程度の約10~12cm切開で、傷跡も目立ちにくくなります。
メリット2
早期離床・早期歩行訓練が可能
術後数日から立位、歩行訓練を開始することが出来ます。高齢者の場合、術後ベッドの上に長期間寝ていることにより著しい筋力低下や肺炎、床ずれを併発したり、痴呆(認知症)を起こす場合がありますが、早期に歩行訓練を行なうことでそのような合併症の予防にもなります。
メリット3
入院期間が短い
従来の1~2ヵ月の入院期間が2週間程度に短縮されますので、早い社会復帰が可能です。入院費などのご家族の負担も軽減させることが出来ます。
デメリット1
人工関節の耐久性

患者さんの体重や活動具合、骨の強さなど個人差がありますが、人工関節の耐久性は15年~20年程度と言われており、再手術が必要になります。長い人の場合では30年ももつ方もいます。人工関節に過度の負荷や衝撃がかかることにより短くなるケースもあります。

適切な体重を維持し、サッカーやバスケットなどの激しいスポーツを避ける必要がありますが、スキー、スイミング、ハイキングなどの運動は可能です。

人工膝関節置換術の入院から退院までの流れ

手術前日
入院 術前の準備をします。
※ 飲食は夕食まで摂取可能です。
※ 飲水は夜9時迄可能です。

※ 糖尿病など合併症のある方は術前に数日間入院していただく場合もございます。

手術当日
準備 注射・点滴などの事前準備を行います。その後、ストレッチャーで手術室へ移動します。
手術 手術を行います。
術後 病室へ戻ります。
※ 飲食・飲水は不可。
術後1日
ベッドから起き上がり、トイレなど歩行開始します。
術後2日
歩行器や松葉杖などを使ったリハビリテーションを開始します。
術後10日~2週
退院
術後4週~
軽作業が可能になります。
術後8週~
重労働への復帰を検討。

※ 上記は一般的な予定であり、個人差があります。

人工膝関節単顆(たんか)置換術 (UKA)について

当院では、人工膝関節全置換術(TKA)よりもさらに低侵襲で、高い関節機能の獲得が可能な、人工膝関節単顆(たんか)置換術(UKA)を積極的に行っております。UKAは、軟骨が損傷している部分のみをインプラントで置換し、損傷していない軟骨やじん帯を温存することができます。TKAに比べ、手術のできる人は膝の状態によって限られますが、腰椎麻酔のみで手術ができ、6~8cmの皮膚切開で筋肉へのダメージはほとんどありません。手術後の膝関節の機能回復がTKAに比べ良好で、患者さんの満足度も高くなっています。また、また必要に応じて、膝関節の靱帯をすべて温存した人工膝関節二顆(BKA)にも対応することが可能です。

人工膝関節単顆置換術の
インプラント
人工膝関節単顆置換術のインプラント
人工膝関節二顆置換術の
インプラント
人工膝関節二顆置換術のインプラント

人工膝関節置換手術を希望の方について

手術までの流れをご一読いただき、整形外科外来にて乾医師川口医師のいずれかの医師の診察をお受けください。

一歩先のスタンダードへ 

〒133-0056 東京都江戸川区南小岩 8-17-2
診察受付時間/08:30~11:00、13:30~16:00
休診日/日曜・祝祭日・土曜午後

当院は以下の認定病院です。
外国人医師臨床修練指定病院、整形外科専門医研修認定施設、脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設。

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