
PLDDとは、Percutaneous Laser Disc Decompressionの略で、椎間板の中の髄核に刺したレーザーファイバーからレーザーを照射して髄核を蒸発させ椎間板ヘルニアを治療する方法です。椎間板を元に戻すわけではありませんので、仙骨ブロックなど従来の手術以外の治療法を試みて、効果が不十分な方にのみ行います。
従来、腰椎椎間板ヘルニアの手術では、最低でも2~3週間の入院とリハビリテーションを、また頚椎椎板ヘルニアの手術では4~6週間の入院とその後のリハビリテーションを必要としていました。
現在、当院では薬や理学療法そしてブロック療法などと、手術の中間に位置する中間療法として、レーザーによる経皮的髄核減圧術を行っています。手術に比べると適応は狭いのですが、十数分のレーザー照射で治療成績は非常に良好です。原則は2日間の入院が必要ですが、状態によっては日帰りでの手術も可能です。当院の稲波院長も以前、頚椎のPLDD治療を受けております。現在は非常に良好な状態です。
PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)の図解
レーザー照射前

レーザーを照射し髄核の一部を蒸発させ空洞をつくります。
レーザー照射後

空洞ができたことで神経根を圧迫していた髄核圧が下がります。またレーザーには消炎鎮痛効果があると考えられております。
PLDDの術前・術後
施術前

施術後

2回目のPLDD
1回のPLDDで症状が改善されない場合、一ヶ月くらい経過をみて、もう一度実施すると良くなる場合があります。※ 2回目の料金も1回目と同じ料金となります。
PLDDの悪化例
当院では現在まで900症例(※)の頚椎・腰椎の椎間板ヘルニアをPLDDで治療しています。
その中でPLDDによって悪化したと思われる例が4例ありました。1例はある医科大学附属病院で手術をうけました。執刀した先生によりますと神経根の浮腫が通常のヘルニアより強かったということでしたが、後に残るような後遺症はありませんでした。3例は当院で手術しました。そのうち2例は、後遺症も無く良くなっておられます。もう1例は当院でのPLDDでは改善できず、当院でMED(内視鏡ヘルニア手術)を受けられ現在はよくなっておられます。
(※)平成22年12月時点