外来受診のご案内

全身麻酔とは

当院ではほぼすべての手術を全身麻酔下に行っております。手術にともなう痛みや刺激を感じないようにするため、薬を用いて脳の活動を一時的に抑え、意識をなくす方法です。これにより、患者さんは手術中の痛みや不快感を感じることなく、安全に手術を受けることができます。ただし、脳の活動を抑制すると呼吸中枢の働きも低下してしまいます。そのため、全身麻酔では原則として人工呼吸管理が必要になります。麻酔中は麻酔科医がつきっきりで全身状態の管理を行っています。

当院での全身麻酔の流れ

全身麻酔のおおまかな流れは下記の通りです。

モニターの装着
モニターの装着

手術台に寝ていただき、全身状態を監視するための各種モニターを装着します。

酸素マスクの装着
酸素マスクの装着

この時点ではまだ眠くなりません

麻酔薬の投与
麻酔薬の投与

点滴から麻酔のお薬を流します。すぐに眠ってしまい、そのあと呼吸が止まった状態になります。

気管挿管
気管挿管

確実な人工呼吸をするため、空気の通り道となる専用のチューブを気管に入れます。全身麻酔にかかった状態なので、苦しさや痛みは感じません。その後、チューブを人工呼吸器につないで呼吸管理をします。

体位変換
手術をする体位に身体の向きを動かします。
手術開始
全ての準備が整ったら手術開始となります。
手術終了
手術終了とともに麻酔薬の投与も終了します。うつ伏せの手術であれば、身体の向きを仰向けに戻します。麻酔薬や速やかに分解され、体内の濃度は次第に低下していくため、時間が経てば自然と目が覚めます(だいたい麻酔薬投与終了から10~20分くらい)。
抜管
抜管

・深呼吸ができること
・意識がはっきりあること
以上が確認できたら、喉に入っているチューブを抜きます。

病室へ帰室
病室へ帰室

呼吸など全身状態が安定して問題ないことを確認してから、ストレッチャーで病室に帰ります。 個人差はありますが、手術直後はウトウトしていて、数時間後にはハッキリ目が覚めます。酸素マスクは手術後数時間つけたままで過ごしていただきます

全身麻酔の合併症や副作用

合併症や副作用

手術が決まった患者さんには麻酔科医より詳しく説明いたしますが、全身麻酔にも合併症や副作用があります。

誤嚥性肺炎

麻酔中の反射の抑制により、嘔吐物や胃内容物が気管から肺に入ってしまうことで起こる可能性があります。その予防として、食べ物や飲み物の摂取を一定期間制限していただきます。

肺塞栓症(エコノミークラス症候群)

長時間動かずにいると血流が悪くなり、血管内に血栓ができやすくなります。これが肺の血管につまると、呼吸不全や心停止を引き起こすことがあります。予防のために手術前には専用の靴下を着用し、翌日からリハビリを行っていただきます。

歯や口の中の損傷・喉の痛み・声のかすれ

喉にチューブを入れる際に口の中や唇、歯が傷つくことがあります。特に、ぐらついた歯・残っている歯が少ない方・乾燥した唇は注意が必要です。なお、術後に喉の痛みや声のかすれが出ることがありますが、通常は2~3日で改善します。

吐き気や嘔吐

体質や薬の影響などの関係で、全身麻酔の後に吐き気が続いたり、吐いてしまうことがあります。

アレルギー

投与した薬によって、体が過剰に反応してアレルギー反応が出る場合があります。

手術中の体位による影響

脊椎の手術の多くは、うつ伏せでの手術になります。顔の位置が下がることで顔がむくんだり、クッションに体重が集中するなどで皮膚が赤くなったりしますが、ほとんどの場合は自然に回復します。

持病の悪化

持病をお持ちの方は術中や術後に持病が悪化することがあります。術中に合併症が発生した場合には、医師が必要と判断した処置を行います。重度の合併症が発生した場合には、集中管理ができる総合病院へ転送させていただきます。

禁煙の重要性

喫煙により様々な合併症の発生リスクが高まるだけでなく、術後の痛みが強くなることが知られています。喫煙されている方は、1日でも早く禁煙していただきますようお願いいたします。

当院での安全管理体制

術前検査

手術が決まった患者さんは、血液検査をはじめとする各種検査を受けていただき、安全に麻酔をかけることができるかを確認します。

麻酔科医による術前診察

麻酔科医による術前診察では、患者さんの既往歴、アレルギー、手術経験、家族歴などを詳細に確認します。全身麻酔の具体的な手順や、リスクなどを説明するとともに、患者さんからご質問があればお答えし、不安や疑問を解消します。なお、術前麻酔科診察では、保険診療に基づく再診料を算定いたします。

術中の麻酔管理

全身麻酔の手術中、麻酔科医は常に患者さんのそばにいます。刻々と変化する状況に応じて、患者さんにストレスが掛からぬよう、麻酔薬や循環・呼吸状態などを調整して全身状態を管理しています。

総合病院への転院

重度の合併症が発生した場合には、集中管理ができる総合病院へ転送させていただきます。

一歩先のスタンダードへ 

〒140-0002 東京都品川区東品川3-17-5
診察受付時間/08:30~11:00、13:00~16:00
休診日/日曜・祝祭日・土曜午後

当院は以下の認定病院です。
整形外科専門医研修認定施設、脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設。

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