手術・治療のご案内

FEL(FESS)(Full-Endoscopic Laminectomy:完全内視鏡下腰椎椎弓切除術)とは

FESSとFELの違い

FESS(フェス)は"Full-Endoscopic Spine Surgery"の略で、日本語にすると「完全内視鏡下脊椎手術」となります。直径7mmの微小内視鏡を使用して行う最小侵襲手術の総称で、皮膚切開が小さく、身体にやさしい手術方法です。
FESSはこれまでPED(Percutaneous Endoscopic Discectomy)と呼ばれていた手術と、使う機器やアプローチの仕方はほぼ同じです。しかし、術者の技術向上により、より多くの部位や疾患に対応可能となりました。

FELは"Full-Endoscopic Laminectomy"の略で、FESSの中でも主に腰部脊柱管狭窄症に対して行われる手術となります。

ただし現時点では、腰部脊柱管狭窄症に対するFELは適応が限られており、片側性の(片側の脚だけに痛み・痺れ等の症状が現れる)外側陥凹狭窄など、一部のタイプの腰部脊柱管狭窄症にのみ相性が良いとされています。

FESSの主な対応疾患
  1. 腰椎椎間板ヘルニア
  2. 腰椎外側陥凹狭窄
  3. 腰椎椎間孔狭窄
  4. 頚椎症性神経根症
  5. 頚椎椎間板ヘルニア

これまで、PEDでは「腰の椎間板ヘルニア」しか治療できなかったのに対し、FESSでは腰だけでなく首も治療可能です。さらに、椎間板ヘルニアだけでなく脊柱管狭窄症などの他の脊椎疾患に対する治療も可能となりました。

※ 患者さんの病状はそれぞれ大きく異なっており、一つの病名では説明できないこともございます。自己診断ではなく、医師に診断してもらうことをお勧めします。

FEL(FESS)に使用する手術機器

FEL(FESS)手術はうつ伏せ、あるいは横向けで行います。全身麻酔を行い、8~10mm程皮膚を切開します。切開した小さな穴にチューブを設置し内視鏡や専用の手術器具を挿入します。TVモニターを見ながら、手順に従ってヘルニア等を取り除きます。

FESS使用機器
※ 画像をクリックすると拡大されます。

FEL(FESS)のメリット

メリット
傷痕が目立ちません。(8~10mm程度)
術後の痛みが軽く、回復も早く、感染の危険性が少なく、呼吸器系の合併症も少ない。
背骨に付いている筋肉を剥がすことが最少。脊柱の安定性を損なうことが非常に少ない。
退院が早く(3~4日)、日常生活や仕事への復帰が早期に行える。
通常の内視鏡下手術よりも低侵襲です。低侵襲とは患者さんのお身体への負担が少ない治療のことを言います。
当院のFEL(FESS)には、健康保険が適用されます。
デメリット
術者に高度な技術が求められるため、実施可能な医師が少ない。
全てのタイプの腰部脊柱管狭窄症にFEL(FESS)が適応するわけではなく、一部の狭窄症のみが適応。

他の手術方法との比較

腰部脊柱管狭窄症の手術紹介
手術の種類 術式 麻酔 入院日数 保険適用
内視鏡下手術 MEL 全身麻酔 4~6日 有り 18~20mm × 1箇所
内視鏡下手術 FEL 全身麻酔 3~4日 有り 8~10mm × 1箇所
内視鏡下手術
(固定術)
ME-PLIF/TLIF 全身麻酔 8~10日 有り 18mm × 1箇所
12mm × 4箇所
内視鏡下手術
(固定術)
XLIF 全身麻酔 8~10日 有り 30mm × 1箇所
12mm × 4箇所
切開手術 従来法 全身麻酔 3週間程度 有り 120mm~150mm
          × 1箇所

※ 上記の内容はあくまでも目安になります。予めご了承ください。

FEL(FESS)の入院から退院までの流れ

手術前日
入院 術前の準備をします。
※ 飲食は夕食まで摂取可能です。
※ 飲水は夜9時迄可能です。
手術当日
準備 注射・点滴などの事前準備を行います。その後、ストレッチャーで手術室へ移動します。
手術 手術を行います。
術後 病室へ戻ります。
※ 飲食・飲水はお腹が動くまで不可。立ち上がったり、歩行は可能です。
術後1~2日
退院
術後1週
軽作業が可能になります。

※ 上記は一般的な予定であり、個人差があります。

FEL(FESS)に関するQ&A

Q01

入院期間は何日ですか?


回 答

3~4日(術後1~2日)です。入院日数は、手術前日の入院から退院までの日数になります。あくまで目安になりますので、患者さんの状態によっては長くなる場合もあります。

Q02

保険適用ですか?


回 答

はい、保険適用です。

Q03

入院・手術費はどれくらいですか?


回 答

入院・手術費について」をご確認ください。

Q04

手術後、歩けるようになるまで何日かかりますか。


回 答

標準的な予定では手術翌日から歩けるようになります。

Q05

退院後、すぐに仕事に復帰できますか。


回 答

社会復帰の目安は「入院スケジュール」の通りですが、退院翌日からお仕事に復帰される方もいらっしゃいます。ただし、手術後すぐに腰に負担をかけるとヘルニアが再発する恐れがあり、なるべく安静にして頂くのが望ましいです。

FEL(FESS)を受けられた患者さんの声

当グループではホームページでの「患者さんの声」掲載を中止致しましたが、ご希望の方にはメールまたは郵送にて送付するサービスを行っております。詳細は「患者さんの声」ページをご覧ください。

FEL(FESS)を希望の方はこちら

手術までの流れをご一読して頂き、整形外科外来にて瀬川医師金子医師の診察をお受けください。

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