2025年12月26日
手術中に麻酔状態を維持するために使用する薬剤には、揮発性吸入麻酔薬(ガスの麻酔薬)と静脈麻酔薬の2種類があります。脊椎の手術では揮発性吸入麻酔薬の使用が好ましくないことから、当院では静脈麻酔薬を主に使用しています。
そのため以前から揮発性吸入麻酔薬の使用は少なかったのですが、その中でもデスフルランという薬剤の使用を2025年10月から完全に中止しました。その理由は環境問題にあります。
日本では揮発性吸入麻酔薬として、セボフルラン・デスフルランが頻繁に使用されています。しかし、揮発性吸入麻酔薬はフロン類に分類され、強力な温室効果ガスとしての一面を持ち合わせています。
例えば、20年間に二酸化炭素が地球に与える温室作用の強さを1とすると、セボフルランは349、デスフルランは3,714となります。その極めて高い温室作用を理由に、ヨーロッパでは2026年1月からデスフルランの使用が禁止されることとなりました。今回の当院の決定は、ヨーロッパでの動きを受けたものとなります。
一方、数十年前まで麻酔の際に多用されていた吸入麻酔薬に亜酸化窒素(笑気)があります。亜酸化窒素も、デスフルランほどではないものの、温室効果ガスであることに変わりありません。そのため、当院では開院当初から使用を控えています。
患者さんの利益を考えつつ、岩井グループのSDGsへの取り組みの一環として、麻酔科医も貢献できたら幸いです。












